<工程毎の動画と解説>
今回の修理ご依頼は「リモワ・サルサエアー」の「コーナー陥没(へこみ)」になります。
強い衝撃が加わったのか、コーナー部分を一回り大きい形でへこんでおります。
まずは、しっかりと状況を確認していきます。
確認する内容は、「追加で亀裂が出ていないか」「へこみの状態」「細かい傷・へこみはどれくらいあるのか」といったところを目視・手触りで見ております。
一見して「陥没」「へこみ」だと判断できる場合でも、部分的に亀裂が混じっていたということもよくあります。
また、へこみを出した際に折れ曲がった部分が元に戻る反動でバキっと折れるような状態になることもあり、今回がこれに当てはまるのか見ていきます。
へこみのラインなのか、細かいへこみなのか、傷なのか、その辺り判断し易くするため、この確認段階で汚れ落としも行ってます。
続けて行う内容は「へこみ出し」です。
簡単に言えばスーツケースの内側からへこんでいる箇所を押し出す作業です。
一見すれば力を込めて押し出しているだけに見えますが、へこみは意外と複雑な形状、衝撃が加わった「変形」の状態です。
無理な力が加わっている状態のため、「押し出すポイント」と「押し出す力量」を見誤ると、「ひび割れ」「亀裂」といった状態に悪化してしまいます。
大きなへこみを押し出した後は、山折り・谷折りのような状態になっている部分を押したり叩いたりを繰り返し、少しずつ調整していきます。
また周辺の小さなへこみがいくつもあるため、これらも併せて調整していきます。
途中、ヒートガンを使って熱っしていますが、これはポリカーボネード素材を柔らかくし、さらに細かいへこみを形状記憶によって戻しています。
続けて行う内容は「裏補強」です。
へこみによる素材の変形により、へこみ箇所がかなり弱くなっている為、補強は最低限すべき内容になります。
弊社独自の補強版と接着溶剤を用いて、コーナー裏側にしっかり設置します。
リモワ特有の「溝」模様に併せて補強版の形を整えていきます。
※ この工程は企業秘密が含まれるため、大部分を省略しております。
続けて行う内容は「研磨」です。
後の工程「塗装」の準備工程の位置づけですが、かなり重要な工程です。
何が重要かと言いますと、この工程は最終の仕上がりにかなりの影響が出ます。
ここが適当だと仕上がりも”それなり”になってしまうほどです。
研磨用の機械(サンダー)とペーパー(やすり紙)を使い、広い面・細かいところを余すことなく研いでいき、
番手を小さいものから順次大きなものへ変えていき、へこみ箇所・細かい傷が見た目も手触りでもわからなくなるように、また塗装がしっかり乗るように下地を仕上げていきます。
今回の破損は比較的症状が軽いものだったため、研ぎ時間は短めです。
修理が複雑なものであるほど、研ぎ時間は長くなり、2~3時間かかることもあります。
最後の工程、「塗装」になります。
本来であればスーツケースの元の色に合わせた「色づくり」そして「塗装」という手順を踏むことが基本ですが、
今回の内容では「仕上げ」の工程だけでも十分綺麗に仕上がるとのことで、いきなり最終工程となります。
まずは、しっかりと養生をしていきます。
ロゴマークやファスナー、取っ手・ハンドル、キャスター等々、ボディには様々な部品が装着されています。
これらに塗料がついてしまうと、それ即ち汚れになってしまいます。意図していない部分に塗料が付着しないように、しっかりと養生を行います。
クリア塗装は光沢・ツヤといった見た目の印象に繋がる重要なファクター。
ムラができたり・垂れてしまったりと、かなり難しい工程のため、弊社でもできる職人は限られています。
クリア塗装後はしっかりと乾燥させて修理完了となります。
お疲れさまでした!
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